ゆんゆん日誌

よろず・オタク・ブログ

弱ペダはマリみてと同義

コンニチハ!女オタクです!
 
前回はWESTの曲について書いたが、今回は弱虫ペダルについて書こうと思う。そういえば、「はてブロのジャ●ーズグループに入ってないしジ●ニオタは読まんやろ〜。安心安心」などと前回の記事について呑気に考えていたら、はてなキーワードとかいうものからブログに来ている方がいるらしくめちゃくちゃ焦った(中身はともかく、記事のタイトルがタイトルなんで…)。閲覧数のページを見たときにゾッとした。洒落怖かよ。
 
さて、今回も強烈な(?)記事タイトルですが。皆さんは「マリみて」をご存じだろうか?「マリア様がみてる」という私立のお嬢様学校(リリアン女学園の高等部)を舞台に少女たちの交流や葛藤を描いた少女小説の略称である。筆者はこの小説のシリーズで百合に目覚めたといっても過言ではない(面倒くさいオタクなので女の子同士の恋愛となるとちょっと躊躇してしまいますが…)。前にインターネットで「マリみては百合ブームの元祖である」というような評価を見た覚えがあるし、まあつまりそういう作品である。ただしマリみては女の子同士の「恋愛」を主題にしてはいない。それゆえ「百合」という言葉は(BLと違って)必ずしも同性同士の恋愛を指さないのだろう…と筆者は考えている。
 
そんなマリみてといえば重要な設定がある。ずばり「スール」制度というものだ。この物語はスール制度を軸に展開していくが、それを聞けばスールという制度がマリみてという物語にとってどれほど重要であるか自ずとお分かりいただけるだろう。
 
それではスールとはどのような制度なのか。スールとは本来フランス語で姉妹を指す言葉だが、リリアンの高等部では先輩と後輩間の1対1の特別な結びつきのことをいう(ちなみに高等部にのみある制度)。その結びつきを確認し形成する際の儀式は、姉(先輩)が妹(後輩)にロザリオを受け渡す……という非常にシンプルなものであるが、これがまた奥の深いものなのである。しかし脱線は避けたいので、この話題についてはいったん筆を措こう。
 
つまりマリア様がみてるという作品において、スール制度のもとで先輩―後輩の関係が強調されていると解釈できる。筆者はこの点において、弱虫ペダルマリみてと同じ構造を持つと考えている。
 
弱虫ペダルというマンガは、タイトルからもなんとなく読み取れる通りロードバイクをテーマとする作品である。しかし、筆者は弱ペダの裏テーマとして「先輩→後輩の継承」を挙げたい。継承といっても具体的な内容はその2人によって異なるし、もしかすると継承よりも影響という言葉のほうが適切かもしれない。
 
弱ペダの先輩―後輩関係において特徴的なのが、同じポジションの2人の間でより特別な結びつきが生まれることが多いことだろう。たとえば、巻島―小野田(クライマー)、東堂―真波(クライマー)、金城―今泉(エース)……等々。現在、原作は2年目のインターハイを描いているが、その中で時折挿入される過去話などから特に箱根学園(ハコガク)において先輩から各後輩への影響が甚大なことは明らかである。
 
ハコガクの黒田は昨年度の荒北に続き、エースアシストとして活躍している。この黒田が如実に荒北からの影響を受けているのである。黒田は荒北と出会った当初は反目しあっていたが、作中1年目のインハイ後の部内ファンライドでは荒北を認め尊敬する様子を見せている。そして2年目に入ると、髪型を荒北のそれに寄せており、語尾の「〜だヨ」など、荒北の特徴的な言葉遣いをしばしば用いている。また、黒田の二つ名は「箱根の届け屋 黒猫」などと作中で表現されているが、これも荒北の二つ名「運び屋」の影響を受けていると言わざるをえない。
 
さらに言えば、主人公の小野田は渡英した巻島を思いながらロードに邁進しているし、彼もまたしばしば「〜ショ!」という語尾を踏襲して自らを奮い起たせている。この「〜ショ!」は巻島のよく用いる語尾である。黒子のバスケでいうと緑間の「〜なのだよ」と同じである。他のペアでも同じように影響や、先輩から学んだことの継承を読み取ることができるが、枚挙に暇がないため割愛する。しかしこのように、弱ペダでは先輩から後輩への継承および影響が作中のそこかしこで見られるのである。
 
ここまでの話をまとめると、重要な点は下記の2点になる。
マリみてにおけるスールは、先輩―後輩の1対1の特別な結びつきをいう。
②弱ペダの先輩―後輩関係は1対1の関係であることが多く、先輩が後輩へ影響を与えていることを示すような描写が多い。
 
②より、弱ペダの先輩―後輩関係は1対1の特別な結びつきといえるのではないだろうか。したがって①より、その関係とマリみてにおけるスールの関係は似ていると思う。だから弱ペダとマリみての構造は似ている、すなわち「弱ペダとマリみては同義」であると筆者は主張したい。
 
そういえば先輩から後輩への影響を描写していることなど、弱ペダは1年目と2年目が地続きであることをよく感じさせる。筆者はそれもまた人生…という感じでそこそこ好きだが、反面1年目の焼き直し感があることも否めない。ただこれは原作42巻まで読んだ時点での感想であり、現時点での最新巻である51巻および(雑誌での連載でもまだそこまで到達していないだろうが)2年目のインハイの結末は知らない。もしかするとこの感想は覆されるかもしれないので、それまで楽しみに待ちたいと思う。